私たちが自然を大好きだとしても、日常生活をする上でプラスチックへの依存が知らぬあいだに環境に与えている影響は甚大です。
私たちが1年間に使用するプラスチックの半分は、包装やプラスチックのストローといった使い捨てによるものです。使い捨てプラスチックは、平均12分から15分ほど使われ、その後はゴミにになるといわれています。しかし、プラスチックは、陸でも海でもどこでも、分解されるには400年から1000年以上かかります。しかしながら、私たちは消費者として、自分のお金の使い道を変えることで、製造業者からアクションを引き出す力をもっているのです。
自然や海洋保全のため、商品を買う者としての力をうまく活用しないわけにはいきません。私たち全員が、日々自分ができることを実行することで、自然をまもる一助となることができます。今すぐに行動に移すために、おすすめの20の方法をまとめました。
- 環境にやさしい、自然由来の素材のブラシでできた竹製歯ブラシを使いましょう。
- みつろうでコーティングされた、自然由来のファイバーデンタルフロスを使いましょう。これまでのデンタルフロスは、くっつきにくいよう加工されているフライパンと同じ材料のナイロンもしくはテフロンでできています。
- テフロン加工のくっつかないフライパンは避けましょう。テフロンは、マイクロプラスチック(5mm以下の細かいプラスチック粒子)に分解されていきます。それを食べてしまうことになるだけでなく、下水システムを通って水路や海洋に流出します。そして、それらの細かいプラスチック粒子を食べた魚を私たちが食べるのことになるのです。
- 使い捨てのプラスチック製かみそりの使用をやめましょう。
- シリコンや石油といったプラスチックの材料が含まれないヘアケア製品を使いましょう。買う前にラベルをしっかりチェックすることが大切です。さらには、ごみ0を目指しましょう。プラスチックで包装されたシャンプーの代わりに、自然由来のシャンプーバーを試してみたり、天然植物油で髪をケアするのはいかがでしょうか。あらゆる地球上の工場排水もしくは都市下水の80%が処理されることなく河川に放出されています。
- 日常のスキンケアもマイクロプラスチックなしにしましょう。洗顔料やスキンケア商品では、スクラブ材のマイクロビーズが含まれない自然由来の製品を探しましょう。海塩や、モモの仁やココナッツの殻をくだいた植物由来のスクラブをつかった製品もあります。
- コットンでできたウォッシュタオル、「コットンラウンド」と呼ばれる麻すさ、あるいはオーガニックコットンを使いましょう。トナーを使った顔の毛穴クレンジングや化粧落としのために、使い捨てのコットンモップやラウンドを使うのはやめましょう。コットンは分解されますが、コットンに含まれる化学物質はこし取られて私たちの環境に残り、野生動物を害する可能性があります。
- 休暇に釣りへ出かけるのが好きでしたら、漁具、特に釣り糸をもって帰るのをお忘れなく。ナイロン製の糸、かぎ針、網といった、透明で見えない網や漁具(ゴースト網、ゴースト漁具と表されます)は、海流とともに流れ続け、魚、鳥、クジラのような大きな海洋生物にひっかかったり、巻き込んで苦しめてしまったりします。そうやって、持ち主が失くしたり船から捨てたりした後、1000年に及んで漂い続けます。太平洋ゴミベルト(テキサス州と同じくらいの広さにゴミが広がるエリア)の46%は、このゴースト網でできています。この巨大なゴミが広がる区画は、今でも還流を通して移動しています。この還流は、世界中を循環する海流の幹線道路と言えますが、いろいろなものがからまり窒息させるようなごみの渦をつくりだしており、海洋生物とプラスチックごみが混ざった状況で暮らすような状況をつくりだしています。
- パーティーやお祝いでのバルーンは省略しましょう。風船のごみくずは、動物や海洋生物を窒息死させてしまうことがあります。
- プラスチックのあのきらきらした感じにも断固ノーと言いましょう。きらきらして細かいマイクロプラスチックを魚は食べ物と間違えてしまいます。
- リユースできるプラスチックでないマイボトルを持参しましょう。1分間に100万本ものプラスチックボトルが購入されていますが、自分のボトルがその1つにしないようにしましょう。
- 朝のコーヒーや紅茶には、リユース(再使用)可能なプラスチックフリーの魔法瓶などを持参しましょう。
- 自宅、職場、バッグの中に、何枚か再使用可能なバックをたたんでいつも置いておくようにしましょう。果物や野菜を入れるためのより小さめの再使用可能な袋もお忘れなく。 UN Environment(※)によれば、毎分100万個以上のバッグが使用されています。
- ランチは、再使用可能なプラスチックフリーの容器に入れましょう。より健康的である上に、お金の節約にもなります。お気に入りのランチのお店で、持ち帰り用のプラスチック容器の代わりに、マイランチボックスやマイコーヒーカップといった持続可能な他の方法をお店でお願いするのはいかがでしょうか。
- プラスチック製のストローは断りましょう。再使用可能なメタルストローでスムージーを楽しんでください。
- 天然の生地や繊維を選びましょう。ワードローブにある合成プラスチック繊維の服の量を減らしましょう。このような合成繊維は、小さなマイクロプラスチックダスト粒子を放出して、最終的には私たちの海や肺に届いています。合成カーペットやラグもマイクロプラスチックダスト粒子をはなっています。
- 環境にやさしい洗剤や、天然繊維でできた食器洗い用スポンジ、洗浄剤を使い、河川、サンゴ礁、海に害を及ぼさないようにしましょう。
- 可能な限り、プラスチックフリーの包装を選びましょう。すでにあるプラスチックはリサイクルしましょう。プラスチックの使用を減らしましょう。生分解性プラスチックでさえ、完全に分解することはできないのです。世界中でリサイクルされているプラスチック包装14%のうち、高価で時間のかかる仕分けと再処理の後に使用できるのはたった5%です。
- ポイ捨てはやめましょう。世界中で使用されているプラスチック包装の約3分の1はゴミとなり、私たちのまちの道路や下水道システムをつまらせ、最後には河川や海にいきます。
- プラスチック汚染を減らすには、政府や企業からの大胆な行動と変化が必要です。市民活動を行い、行動科学を我々の行動にとりいれましょう。考え方に違いがあっても、地域コミュニティの皆が取り組むにあたって合意できるひとつの価値(例えば、清潔な公園)を特定するのがベストです。
- あなたが暮らす地域コミュニティに暮らす人々について考えましょう。最も重要な優先事項を特定しましょう。
- 人々の習慣を理解する。予算、生活様式、日常のルーチン、スケジュールにあう簡単なステップは何でしょうか?
- その問題について地域コミュニティ内で議論し、成功像(ゴール)を明らかにしてビジョン化するために、一緒に取り組みましょう。ステークホルダー(地域コミュニティ、企業、地方行政)に利益をもたらすと考えられるソリューションを特定することで、合意を得ましょう。
- アクションプランを通して、地域コミュニティと協定を策定しましょう。アクションプランは、地方行政、企業、そして地域コミュニティの構成員の誰もが実際やってみようと思えるような、簡潔でわかりやすく、専門用語がない、ユーザフレンドリーで無理のない現実的なものであるべきです。
- 予算の一部である寄付もしくは資金を通してボランティアや物資を得るために人員数や作業などの必要なリソースについて検討項目として追加しましょう。
- 常に現実に即した時間枠を設定し、成功結果は短いサマリーをつくるようにしましょう。
それでは、あなたが暮らすまちの地方行政、ビジネスセクター、地域コミュニティの委員会と計画を共有しましょう。ソリューション、明確に決められた計画、計画をファンディングするためのプランと解決策を実施するにあたってオーナーシップをとる関係者のリストに沿って、行政や地域コミュニティの委員会にアプローチすればするほど、地方行政や地域コミュニティの委員会はあなたの提案を試してみようというオープンな姿勢になるでしょう。