アフリコンバース2025第1回 Innovating Together:日本とアフリカの学術協力の未来を築く

UNDPとJICAは、2018年6月より、TICAD(アフリカ開発会議)とアフリカ開発をテーマにした対話型イベント「AFRI CONVERSE(アフリコンバース)」を共催してまいりました。通算21回目となる今回は、広島大学とともに、アフリカとの学術協力について議論する対話型イベントを開催します。

2025年2月23日
Event flyer with speakers' photos, title, and date on a blue background.
Event Details

2025年3月7日

17:30-19:00(日本時間)/11:30-13:00(東アフリカ時間)

広島大学ミライクリエ (オンライン接続あり)

アフリカと日本は、1993年の第1回開催以来、30年以上にわたりTICAD(アフリカ開発会議)を通じてパートナーシップを築いてきました。TICADは、冷戦終結後に減少していたアフリカへの開発援助を立て直すことを目的に始まり、1990年代には世界のアフリカへの関心を再び高めることに成功しました。その後、アフリカ諸国では持続可能な開発目標(SDGs)達成のための資金支援のニーズが高まる一方、日本の政府開発援助(ODA)は、アフリカとの協力の柱でありながらも、減少傾向にあります。

一方で、アフリカ経済は成長を続けており、低所得国から中所得国へと移行する国が増えています。高いGDP成長率、人口増加による拡大する市場、豊富な天然資源、若い労働力などにより、アフリカの「潜在力」は世界的で注目を集めています。過去10年間でTICADもその焦点を民間投資の拡大へとシフトさせており、実際、国連の統計によると、過去20年間でアフリカへの投資額は6倍以上に増加しています。

経済成長だけでなく、近年アフリカではSTEM(科学・技術・工学・数学)教育が急速に発展し、若い世代が科学技術分野で活躍できる機会が増えています。その結果、アフリカ全体で経済成長と社会発展の基盤が整いつつあります。アフリカ連合(AU)は「アフリカの若者とイノベーションの年」を宣言し、教育改革の一環としてSTEM教育の強化に取り組んでいます。各国政府や国際機関、NGOが協力し、科学技術カリキュラムの改善や専門教育の充実を推進しています。

また、アフリカの大学や研究機関は、世界各国の大学や企業と連携し、国際的なSTEM教育の機会を増やしています。例えば、アフリカにはアフリカ科学アカデミー(African Academy of Sciences)といった国際的に著名な研究機関があり、国内外の研究者と共同で研究プログラムを実施しています。さらに、大学間の共同研究や交換プログラムを通じて、学生が国際的なネットワークを築き、最先端技術を学ぶ機会が提供されています。

このような動きの中、日本とアフリカの大学間の連携も拡大しており、教育・研究分野における協力強化が進んでいます。アフリカの経済発展と課題、日本の先端技術と専門知識が交わることで、双方の関心が高まり、環境技術、再生可能エネルギー、農業技術、医療などの分野で共同研究プログラムが展開されています。こうした大学間交流は、学生や研究者に異文化を体験する機会を提供し、国際的な視野を持つ人材を育成し、国際協力の強化にもつながります。

さらに、学術交流は新たなビジネス機会を生み出し、日本企業のアフリカ市場進出を支援することで、経済成長を後押しする可能性も秘めています。この協力関係は、教育、医療、貧困削減などの分野で世界的な課題に取り組み、SDGsの達成にも貢献します。したがって、日本とアフリカの大学間協力は、学術的、文化的、経済的、社会的に幅広いメリットをもたらし、相互の発展を促進しながら、グローバルな課題解決にも重要な役割を果たします。

このような大学間協力の先進的な事例の一つが、広島大学にあります。2024年11月25日、広島大学はアフリカ連合(AU)のパン・アフリカン大学と国際交流協定を締結し、世界で初めて同大学と正式な提携を結んだ大学となりました。パン・アフリカン大学は、2011年にアフリカ連合によって設立された大学院大学で、アフリカ全体の高等教育の質の向上と科学技術の発展を目的としています。アフリカ各国に5つの主要キャンパスを持ち、それぞれが特定のテーマや学問分野に特化しています。

これらの既存の事例を踏まえ、本イベントでは、日本とアフリカの学術協力のメリットを実践的かつ具体的に大学などの機関レベルと学生や教員との個人レベルで検討し、両者にとって有益な協力の枠組みをさらに拡大することを提言していきます。


〈開催概要〉

日時:2025年03月7日(金)17:30~19:00(日本時間)

共催機関:国際協力機構(JICA)、国連開発計画(UNDP)、広島大学

開催形式:ハイブリッド開催
・対面開催場所:ミライエクリエ(広島県東広島市鏡山一丁目4番5号)

Map indicating the location of Mirai Crea with surrounding streets and buildings.

・オンライン配信:Zoom

参加費用:無料

言 語:日本語・英語・仏語

参加登録:

対面参加登録リンク:

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdmfHJbVX0H3XyzP5BSfVt3m3g5Piq4Shttn4xokHW9O0IRQw/viewform?usp=header(link is external)

オンライン参加登録リンク:

https://undp.zoom.us/webinar/register/WN_8Ps-AVZzS2mEQheE6-wpPg(link is external)



登壇者(敬称略): 

 

・金子 慎治 広島大学理事・副学長 (グローバル化担当)

・上田 大輔 JICA人間開発部次長 兼 高等教育・社会保障グループ長

・新福 洋子 広島大学大学院医系科学研究科国際保健看護学 教授 

・ジョイス・ジャスティーヌ・ナカエンガ 広島大学大学院先進理工系科学研究科 共同研究講座助教 

・眞鍋 志野 広島大学人間社会科学研究科 博士課程前期 教育科学専攻 国際教育開発プログラム

・アフリカ連合委員会 教育担当局長(予定)

・上野 修平 JICAアフリカ部次長(計画・TICAD担当)

 

モデレーター: レイモンド・ギルピン チーフエコノミスト UNDPアフリカ局

 


アフリコンバース:

UNDPとJICAは、2020年6月からTICAD(アフリカ開発会議)とアフリカ開発をテーマにした対話型イベント「AFRI CONVERSE(アフリコンバース)」を共催しています。このイベントは、過去のTICADで取り上げられた開発課題のフォローアップと2025年に開催予定のTICAD 9に向けた議論を促進するためのものであり、国内外の多くの方々の参加が期待されています。


お問い合わせ:

JICA アフリカ部 計画・TICAD推進課 田中遼平 Tanaka.Ryohei@jica.go.jp 

UNDP アフリカ局 TICAD連携専門官 近藤千華 chika.kondoh@undp.org

 

TICAD 9 Logo - Color

 

本イベントは、第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)パートナー事業です。