SDGインパクト、待望の「SDGインパクト基準研修」コースを日本で開講

2022年7月14日
sdg impact event
Photo: UNDP Tokyo / Ken Katsurayama

2022年7月14日、東京発― アヒム・シュタイナー UNDP総裁は本日、「SDGインパクト基準研修」を世界に先駆けて日本で開始することを発表しました。SDGインパクト基準は、サステナビリティ、SDGs、インパクトを実現するマネジメントを、事業や投資の意思決定の中核に据える、マネジメントのための世界的な独立基準です。サステナビリティとSDGsの達成に向けた民間セクターの貢献を加速する目的で立ち上げられたUNDPの重要な取り組み、「SDGインパクト」の一環として策定されました。

この待望の研修コースの対象者は、サステナビリティとSDGsを事業の意思決定に組み込むことで、組織内のマネジメント実践のあり方を改善しようとする民間企業・組織・個人です。l研修コースの開発は、社会的価値とインパクトマネジメントの世界的ネットワークであるソーシャル・バリュー・インターナショナル(SVI)とUNDPが共同で行いました。みずほフィナンシャルグループおよびみずほ銀行は、世界に先駆けてこの新しい研修コースを受講する最初の企業となります。SVIが実施するSDGインパクト基準の講師研修を受講し、講師として認定を受けた一般財団法人 社会的インパクト・マネジメント・イニシアティブ(SIMI)および特定非営利活動法人ソーシャル・バリュー・ジャパン(SVJ)のメンバーが実際の研修を行う予定です。

これまでに、①企業・事業体向け、②プライベート・エクイティファンド向け、③債券発行体向け、そして開発金融機関とそのドナー国のための④OECD-UNDP持続可能な開発のための資金供給に関するインパクト基準、の4種類のSDGインパクト基準がすでに開発されました。SDGインパクト基準は、企業がSDGsに貢献する意思を行動に移すための普遍的な枠組みとマネジメントアプローチを提供します。また、SDGインパクト基準研修を受けることで、企業や投資家は自信を持って本基準を導入できるようになります。日本は、民間セクターからの高い要望により、世界で最初に研修コースを実施する国として選ばれました。

UNDP総裁のアヒム・シュタイナーは「新型コロナウイルスの世界的蔓延、ウクライナの戦争、気候危機という三大脅威により、世界は、我々の世代が生きている時代の中でも最も厳しい危機に陥り、多くの人が生活困難に直面しています。このような地球規模の課題に対処する上で、民間企業は重要な役割を担っています。日本は常に新しい分野でSDGsに貢献できる方法を開拓しており。革新的なSDGsインパクト基準に関する初めての研修コースを開始するのにふさわしい場所です。」と述べています。

SDGインパクトのディレクター、ファビエンヌ・ミショーは、「新しいSDGインパクト基準研修コースを日本から開始できることを嬉しく思います。日本は、民間企業からの関心が非常に高い市場です。SDGsを北極星として、サステナビリティを経営の中核に据えようとするその意欲は賞賛に値するものであり、今後研修コースを本格的に展開していくことを大変楽しみにしています。」と述べています。

undp impact - webinar

左からアヒム・シュタイナー UNDP総裁、渋澤健 SDGインパクト運営委員、ファビエンヌ・ミショー SDGインパクトディレクター

Photo: UNDP Tokyo / Ken Katsurayama

UNDP SDGインパクトについて

国連開発計画(UNDP)は、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた民間資金の流れを拡大するために、「SDGインパクト」という取り組みを進めています。その目的は企業や投資家が経営方針を決定する際、サステナビリティを中核に据えることを支援し、人と地球に最も良いインパクトをもたらす領域へ資金の流れを生み出すことです。 SDGインパクトの活動の柱は、以下の通りです。

  • SDGsに資する事業運営を行うための3種類の「SDGインパクト基準」(「プライベートエクイティ(PE)ファンド向け」、「債券向け」、「企業・事業体向け」)の策定
  • インパクトマネジメント研修制度の導入
  • 上記基準に合致した企業等の認証および「SDGインパクト認証ラベル」の提供
  • 投資対象となる途上国のビジネス情報を検索できる「SDG投資情報プラットフォーム」の運営

日本からは渋澤健さん(シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役)がこのプロジェクトの運営委員を務めています。