
クヤルニク発 — 国連開発計画(UNDP)ウクライナ事務所は、日本政府の資金拠出を受け、ウクライナ南部オデーサ州ポジルスク地区にあるクヤルニク・コミュニティにあるマルダリウカ村の消防団に、必要な機材を提供しました。
提供された機材には、防護服、靴、ヘルメット、斧、消火器などが含まれ、総額15,555米ドルに相当します。機材供与により、消防団の緊急対応能力が大幅に向上し、地域住民の安全確保が期待されています。
また、UNDPの支援を受けた地域の復興・開発計画の一環として、15名のメンバーで構成される3つのボランティア消防団の訓練が開始されました。これにより、地域の緊急対応時間が従来の40分から5〜20分に短縮される見込みです。訓練では、消防活動の実践的な知識、特殊機材の使用方法、応急処置の提供について学びました。
横井水穂UNDPウクライナ事務所プログラム・マネージャーは、地域主導の復旧がUNDPの活動の中核であると強調しました。
「日本政府の支援を受け、クヤルニク・コミュニティは、地域復旧・開発計画や腐敗防止プログラムを包括的に実施する10のパイロット・コミュニティの一つとなっています。これは持続可能で効率的かつ透明性のある復興に向けた重要なステップです」と述べました。
さらに横井氏は、地域の復旧計画の成功を祝福し、「ボランティア消防団の設立は、ウクライナの人々が自らの住まいを守るために示したレジリエンスと献身の証です。UNDPは、この素晴らしい取り組みを支援できることを光栄に思います」と述べました。
ソフィア・ホディウク クヤルニク・コミュニティ副代表は、地域のパートナーに対し、継続的な支援への感謝を表明しました。「2023年に始まった日本の支援によるUNDPとの協力は、単なる技術支援にとどまらず、私たちのコミュニティの戦略的発展のための強固な基盤を築きました」と述べました。また、ボディウク氏は、住民の安全を最優先に考えていることを強調し、「ボランティア消防団の設立、装備の提供、訓練の実施は、単なる支援ではなく、地域住民の命を守るための具体的な一歩です」と語りました。 UNDPの代表団は、クヤルニク・コミュニティへの機材提供後、オデーサ州政府のセルヒイ・クロピヴァ副知事やオデーサ州行政機関の代表者と会談し、UNDPによる地域支援や主要な復興ニーズについて議論しました。
背景
2023年以降、UNDPはウクライナ地方・国土発展省と協力し、日本政府の財政支援を受けて、以下の分野で10のパイロット・コミュニティを支援しています。
- 地域復興・開発計画の策定
- 腐敗リスクの評価と腐敗防止プログラムの開発
- 地方自治体職員向けの研修(プロジェクト管理、資源動員、資金調達、包括的・ジェンダー配慮型アプローチの導入)
- 地域行政の戦略的・危機対応コミュニケーション能力の強化、および偽情報対策
クヤルニク・コミュニティは、これらのパイロット・コミュニティの一つです。本コミュニティではUNDPの支援を受けて復興・開発計画および腐敗防止プログラムを策定しました。
本プロジェクト 「ボランティア消防団の設立:マルダリウカ村におけるボランティア消防部隊の形成」 は、地域の復旧・開発計画の一環として実施され、農村部におけるボランティア消防団の能力向上と地域の安全強化を目的としています。