UNDPは脆弱な国々に前例なきCOVID-19 支援を計画
新型コロナウイルス(COVID-19):途上国に迫り来る危機は経済を荒廃させ、不平等を拡大する脅威 に
2020年3月30日
ニューヨーク発 – 広がり続けるCOVID-19の危機は、短期的な健康危機としてだけでなく、今後数ヶ月、数年にわたる壊滅的な社会的および経済的危機となり、特に開発途上国は不均衡且つ甚大な被害に襲われる可能性があります。
途上国における収入の損失は2,200億ドルを超えると予想されており、アフリカの全雇用のほぼ半分が失われる可能性があります。 世界の人口の推定55%が社会的保護にアクセスできないため、これらの損失は社会全体に波及し、教育、人権、そして最も深刻な場合には基本的な食料安全保障と栄養に影響を及ぼします。
資金が不足している病院や不安定な医療システムは、収容キャパシティの限界を超える可能性があります。後発開発途上国では、最大75%の人々が石鹸や水にアクセスできないことを鑑みると、この状況は感染者の増加などにより、さらに悪化する可能性があります。
これに加え、乏しい都市計画や都市部での人口過多、不十分な廃棄物処理サービス、さらには医療施設へのアクセスを妨げる交通渋滞などの不利な社会的条件のすべてが、感染者の増加を招く可能性があります。
「このパンデミックは健康危機です。しかし、単なる健康危機だけには留まらないでしょう。世界中の至る地域で、パンデミックは深い傷跡を残すでしょう」と国連開発計画(UNDP)総裁のアヒム・シュタイナーは述べます。「国際社会からの支援が行われなければ、過去20年間に遂げられた成長が大幅に後退するリスクを冒すこととなります。全ての世代において、例え命が失われなかった場合においても、権利、機会、尊厳が失われることになるでしょう。」
UNDPは世界保健機関(WHO)と緊密に連携し、特に最も脆弱な国に焦点を当て、COVID-19パンデミック対策への準備、緊急支援、及び復興を支援します。
UNDPは既にボスニア・ヘルツェゴビナ、中国、ジブチ、エルサルバドル、エリトリア、イラン、キルギスタン、マダガスカル、ナイジェリア、パラグアイ、パナマ、セルビア、ウクライナ、ベトナムなどの国々で保健システム強化の支援に取り組んでいます。
またUNDP主導のCOVID-19 迅速対応ファシリティ(Rapid Response Facility)が立ち上げられ、既存の資金活用により、最初の2000万ドルが出資されました。このファシリティは、UNDPが、各国の緊急事態において迅速な支援を提供できるようにする、ファストトラック・メカニズムを通じて供給します。100か国をサポートするために最低5億ドルのニーズを予測しています。
COVID-19危機と闘うための行動を
UNDPは、COVID-19の差し迫った影響、そしてそれを超えた長期的影響を見据えるよう、国際社会に行動を呼びかけます。特に3つの優先的な行動の必要性を強調しています:新型コロナウイルスのアウトブレイク(感染爆発)を阻止するための方策、アウトブレイク中の緊急支援、およびアウトブレイクの影響でもたらされる開発途上国の経済崩壊を防ぐための対策です。
UNDPは緊急支援として、中国やその他のアジア諸国が保健システム強化のためにこれまで提供してきた支援を、さらに強化しています。これには、必要不可欠な医薬品の調達支援、デジタル技術を活用した医療従事者への給与支払保証などが含まれます。同時に、UNDPは各国がウイルスの拡散を遅らせ、脆弱な人々への社会的保護提供の支援、また保健セクターにおける緊急対応を補完するため、各セクターを動員し、政府全体および社会全体による包括的危機対応の支援を行っています。
COVID-19とその影響に取り組むには、システムとセクターを超えた分野横断的アプローチによって、複雑で不確実な状況で連携できるパートナーが必要です。これは正に、最前線での長年の活動によって、UNDPが達成してきたことです。 UNDPは世界の170の国と地域で活動しており、この歴史的危機に対応するためにすべての資源、技術を動員し、COVID-19対応に力を尽くしています。
Adam Cathro: adam.cathro@undp.org; +1 917 915 9725
UNDPは、貧困の根絶や不平等の是正、持続可能な開発を促進する国連の主要な開発支援機関です。「国家にとっての真の宝は人々である」という信念に基づき、人々や国々の能力を育てる活動を約170の国・地域で行っています。