開催報告: UNDPオンラインキャリアセミナー

2023年3月6日

UNDP駐日代表事務所は2月22日(水)、オンラインキャリアセミナーを開催しました。

初めにUNDP駐日代表の近藤哲生から開会の挨拶の後、外務省国際機関人事センターの山口氏によりJPO派遣制度の紹介があり、公募との違いや制度の実績などに加え、受験資格、選考プロセスや必要書類など具体的な応募に関する説明がされました。

その後ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)派遣制度でUNDPに入職した4名の若手職員、丸野大樹(パレスチナ事務所)、河野雄太(インド事務所)、長谷川晶子(アフガニスタン事務所)、浜野沙羅(本部アフリカ部)がそれぞれのJPOへの応募までの経緯やキャリアについて、UNDPでの業務について紹介しました。

そして、UNDP人事部 JPOサービスセンター より、Jean-Luc Marcelin (Partnership&Talent Outreach Specialist )と Christina FavbroからJPOに関する具体的な説明がされ、事前に集められた質問に対して簡単な質疑応答が行われました。

その後3つのブレイクアウトルームに分かれ「6つのJPOポストの詳細」「UNDPの取り組みやキャリア構築など」「JPO応募に向けた準備」について具体的な質問をするなど、登壇者と参加者の自由な対話の場となりました。

丸野大樹 (パレスチナ事務所)

際関係学の学位で大学を卒業後、日本の商業銀行で勤務した後JICA青年海外協力隊でコスタリカでのボランティア経験を経て、イギリス大学院で気候変動・開発政策の修士号を取得しUNIDO(国連工業開発機関)でインターンをした経験を話しました。また、国連を選んだ理由について、政府組織の上流で業務を行い、途上国の発展に最も影響を与えることができるからと説明しました。 最後に、JPO試験に4回応募した経験から以下のポイントを共有しました。

  • 職務経験でどのような結果を達成したのか具体的な役割や達成した数字を使用する
  • 応募するポストの内容をしっかりと理解し、ジョブディスクリプションにある表現を使いながら自分がどれだけ条件に合致しているかを伝える
  • 国事務所のポストに応募する際はその国の経済や政治の背景についてある程度勉強しておき、自分の専門分野との関連において説明できるようにする
  • 面接では常に落ちついて質問に対してゆっくりと正確に回答する。もしわからないことなどあれば、積極的に質問をする

河野雄太 (インド事務所)

日本の財団とエチオピアのNGOで長年勤務し、10年以上にわたり開発と緊急対応の経験及び4年以上のプロジェクトマネジメント、エチオピアでの国連ボランティアの経験を通し、SDGsやモニタリング評価連携、リソースモビライゼーションや平和構築、ガバナンス、難民支援など様々な分野のプロジェクトに関わってきたことを述べました。また、現在のポストにおける責任や、具体的な責務に関してスパイスとIoTなどの事例を取り上げて説明しました。 さらに質疑応答の中で、応募の中で最も効果的だった取り組みとして現場での経験(ボランティアなど)を積むこと、また特にアフリカ地域で取り組む際の強みとしてフランス語を勉強することを挙げました。

長谷川晶子 (アフガニスタン事務所)

学生時代のNPOインターンやベトナムでのボランティアの経験から国際協力に興味を持ったと説明しました。大学卒業後、日本の外資系企業でコンサルタントとして勤務し、米国でビジネスのマスターを取得し、さらに米国コンサルティング企業で財務戦略などに携わった経験からファイナンス分野を専門に持つに至った経緯などを説明しました。初めはJPOでUNDPのファイナンス部門でプログラムアナリストとして国連のキャリアをスタートさせ、その後もファイナンス分野でこれまでに合計4つのポストにおいてUNDPで活躍しています。 また応募の際には、特に自身の応募の経験から応募やポストの選択にあたり自身の実績やスキルと、ポストの業務内容との整合性が大切であると述べました。さらに自身の業務について、日々のファイナンシャルマネジメントの重要性などを説明しました。

浜野沙羅  (アフリカ局)

国際関係学で大学を卒業後、政府在外公館や人事コンサルタント企業で勤務し、開発経済学修士の取得後、国連ボランティアを経てJPOに応募されました。UNDPは開発にアプローチをする機関の中で、自分が興味を持つユース支援などのプロジェクトマネジメントに関わることができるなどの理由から、自分に最も適した機関であったと説明しました。また、参加者に向け以下のアドバイスを挙げました。

  • 応募するポジションを探す際に自分に合ったものを探す
  • 学生に向けて、インターンシップに挑戦することや、現場での経験を積むことが重要
  • JPOが自分のキャリアの中でどのような意味を持つのか考え、長期的なキャリアパスの視点からポスト選びや応募を考える

さらに質疑応答の中で、フランス語の重要性に触れた一方で、語学について心配しすぎるのではなく、具体的な開発の分野の内容について興味を持って勉強する方が重要だと説明しました。

Jean-Luc Marcelin(人事部)

自身がフランスのJPOとして国連に入った経験や、日本とJPOの良い連携の形について話された後、具体的なJPO試験の選抜過程や応募に関するポイントを以下のように共有しました。

  • 「開発の問題に関して何かインパクトを与えたい、貢献したい」という情熱を持ち、それに向けて取り組むことができる人を求めている
  • 様々な文化の中で働くことができる、働きたい、という意思を示す
  • 決められた職務以外にも柔軟に状況に応じて対応できる能力を示す
  • 職務経験から応募ポストが求める内容に関連や合致する専門性や経験を強調する
  • そのためにもジョブスクリプションをしっかりと読んで理解し、求められている知識やコンピテンシーを把握する
  • これらの内容をCVにわかりやすく論理的に述べる