安全保障と持続可能性の新時代へ:UNDP、旭化成繊維イタリア、ブルネッロがマリの染色職人を支援

国連開発計画(UNDP)は、旭化成繊維イタリアとブルネッロと連携し、マリの女性染色職人の支援に取り組んでいます。両社と日本大使館が出席した式典では、染色業界の再活性化への決意が強調されました。

2023年10月31日
Photo: UNDP Regional Bureau for Africa

国連開発計画(UNDP)は、旭化成株式会社のイタリア現地法人である旭化成繊維イタリアとブルネッロ社と連携し、マリにおける女性の染色職人が直面する課題に共同で取り組んでいます。このたび、両社と日本大使館代表が出席した式典が行われ、両社から提供された個人用防護具が配布されました。本式典では、マリの染色業界を再活性化させるために、官民連携を推進するという関係者の強い決意が確認されました。

式典における演説では、本事業の重要性が強調されました。UNDPマリ事務所の常駐代表は、1960年代以後の同国における染色業界の豊かな歴史と伝統を強調し、同国の染色文化の独自の魅力に触れるとともに、染色業界が直面する課題に触れ、旭化成繊維イタリアとブルネッロが生み出した「BemBAZIN」布が染色職人と環境に利益をもたらすと述べました。

駐マリ共和国日本国特命全権大使の上薗英樹氏は、マリと日本の両国における職人染色の文化的重要性を強調し、同国の職人の健康と安全に対する日本の支援を表明し、提供された個人用防護具が職人の生活向上とコミュニティの発展に貢献することへの期待を述べました。

旭化成繊維イタリアCEOの濱田幸治氏は式典にオンラインで参加し、本事業への熱意と「BemBAZIN」の可能性を強調しました。同社は、ブルネッロとUNDP、日本大使館と共に、染色職人がより快適で安全に作業に専念し、より付加価値を生み出しやすい環境を提供することを目指していると述べました。

ブルネッロ副社長、ファブリツィオ・カゾーリ氏は、「BemBAZIN」は、古い伝統とイノベーションを組み合わせる同社の決意の証であると述べました。ブルネッロは人間の価値を最優先し、多方面のパートナーとの協働により業界の関係者の健康と安全を確保し続けていく意向を述べました。

式典では、染色業界の代表者が謝辞を述べ、安全な作業環境の大切さを強調しました。また、染料製品にかかる高いコストと品質の低下といった課題を取り上げ、マリ現地での布生産施設の設立アイデアを共有し、雇用創出と貧困削減に寄与する可能性を示しました。

本式典は、旭化成繊維イタリア、ブルネッロ、およびUNDPの連携において重要な節目となったと同時にマリの伝統的な染色業界を支援し、持続可能な未来に向け、共通の価値観を持つ関係者の協力を提示する好機となりました。

ハイブリッド形式で開催された式典の様子

Photo: UNDP Regional Bureau for Africa

本連携事業へのお問い合わせ:

UNDPマリ事務所 コミュニケーション担当官 ムライェ・デンベレ(moulaye.dembele@undp.org)

脚注:

  • 国連開発計画(UNDP):貧困や格差、気候変動といった不公正に終止符を打つために闘う国連の主要機関です。170か国において、人間と地球のために総合的かつ恒久的な解決策を構築すべく、様々な専門家や連携機関からなる幅広いネットワークを通じ支援を行っています。
  • 旭化成繊維イタリア:同社は、日本の総合化学メーカーである旭化成株式会社の子会社で、欧州域における再生セルロース繊維「ベンベルグ™」(キュプラ)の販売拠点です。
  • ブルネッロ:同社は、持続可能でエシカルなテキスタイルと衣料品の製造に特化し、伝統技術の保護と地域社会の支援に取り組んでいます。