国連開発計画(UNDP)と日本政府との連携でブータン保健省が主導するプロジェクトを通じて調達した機材により、15県にまたがる112の保健センターで医療廃棄物管理のシステムと実践の強化を支援
UNDP、総額113万ドルを超える特殊医療廃棄物管理機材をブータン保健省に供与
2023年9月29日
2023年9月15日、ティンプー: 今回供与された医療廃棄物管理機材には、総額100万ドル相当の全自動高圧蒸気滅菌器または医療廃棄物滅菌装置112台と8万1,000ドル相当の個人用防護具(PPE)、計量器100台が含まれています。ブータン国保健省(MoH)、UNDP、日本政府(GoJ)のパートナーシップによる「感染性医療廃棄物管理改善プロジェクト」の一環として導入されました。
ティンプーのデブシ保健センターで行われた保健省への機材引渡式には、リョンポ・デチェン・ワンモ保健大臣、モハマド・ユヌスUNDPブータン常駐代表のほか、保健省、ティンプー市役所、群保健センターの職員が出席しました。また、在インド日本国大使館の北郷恭子経済公使もオンラインで参加しました。
感染性医療廃棄物の安全で効率的な管理は、人の健康だけでなく、環境を守るうえでも欠かせません。供与された特殊医療廃棄物管理機材は、15の県と5つの都市にまたがる112の保健センターに配置され、医療廃棄物管理システムの不備による課題と脅威への対策に用いられることになっています。本プロジェクトはまた、特殊医療廃棄物運搬用トラック5台も供与される予定です。
リョンポ・デチェン・ワンモ保健大臣は、感染性廃棄物管理が質の高い医療提供の基盤になるとして、次のように語りました。「私たちはコロナ禍で発生した多くの感染性廃棄物を火葬場で焼却しなければなりませんでした。その時、医療廃棄物管理に十分な投資が必要なことに気づきました。」
北郷公使は「今回の無償資金援助が効果的に活用され、ブータン政府と医療従事者がデジタル化のギャップを含め、医療廃棄物の安全な処理、輸送および廃棄のための不十分なインフラという課題に対処できるようになることを切に願っています」と述べました。
また、モハマド・ユヌスUNDP常駐代表は「本プロジェクトは、ブータンと日本、UNDPによる近年のパートナーシップの一環として、ブータンの保健システムの強化を目的としています。保健省が感染性医療廃棄物の安全な処理、輸送および処分の持続可能な解決策を確立するための支援となるものです。ほとんどが遠隔地にある保健センターに機材を供与することで、私たちは手の届きにくい遠隔地に住む人々が取り残されないようにしているのです」と語ります。
本プロジェクトの一環として、廃棄物取扱者は感染性廃棄物の適正な処理と取り扱いに関する研修を受けています。感染性廃棄物は、患者や病院職員、近隣コミュニティへの二次感染を防ぐための特殊な処理工程が必要となります。
これまでに西部と南部地方の12の県にある保健センター、市役所および民間廃棄物管理業者250人以上が研修を受けました。来週には東部地方の県からさらに100人の廃棄物取扱者が研修を受ける予定です。
本プロジェクトはまた、医療廃棄物管理におけるジェンダーの問題を可視化し、サービスや設備、ジェンダーの平等と性的搾取などの関連問題に対する意識の不足といったジェンダーに配慮した環境の欠如に対処することにも役立っています。病院やプライマリー・ヘルスケアにおける廃棄物取扱者の56%が女性であることを考えると、極めて重要な課題と言えます。
さらに詳しい情報については、下記にお問い合わせください。
Ms. Dechen Wangmo, Communications Analyst, UNDP Bhutan, Email: dechen.wangmo@undp.org