背景/開催概要

2019年に開催されたTICAD7において、経済同友会と国連開発計画（UNDP）は、アフリカにおけるビジネスを通じて持続可能な開発目標（SDGs）を達成するための協力に関する覚書を締結しました。この合意を受けて、2022年5月、TICAD8のプレイベントとして、アフリカで社会課題の解決に取り組む日本とアフリカの女性起業家によるオンライン交流会が開催されました。そこでは、資金へのアクセスなど、特にアフリカにいて女性起業家が直面する課題が議論されました。

2022年8月に開催されたTICAD8では、日本、アフリカ諸国代表、UNDPを含む共催者により「チュニス宣言」が採択され、同宣言の柱の一つである「持続可能な経済成長と発展のための構造転換の実現」において、アフリカのビジネス環境を強化し、アフリカの優先課題である経済変革と多様化を支援することの重要性が強調されました。さらに、若者や女性の起業家精神を含むスタートアップや民間企業が、アフリカの社会的課題を解決するための変革の原動力となることが確認されました。

UNDPはこのような流れに同調して、「ユースコネクト（YouthConnect）」という多角的なプログラムを支援してきました。このプログラムは、若者と彼らが経済的に成長できる機会とのギャップを埋めるために、若者をロールモデル、仲間、資源、技術、技能、経済的機会につなげることを目的としています。さらにUNDPは、今後数年で拡大が求められるアフリカ大陸自由貿易圏（AfCFTA）において、若者が不可欠な役割を果たすことを提唱し、若手起業家支援や、若者のビジネス支援に関する様々なプログラムとの連携を推進しています。

日本では、若者のエンパワーメントやビジネス支援の取り組みを支援するための官民パートナーシップが不可欠と考えられており、アフリカの若者を支援するための様々なプログラムが実施されています。アフリカでも日本でも、若者による社会経済変革の実現を促すためには、この取り組みをさらに加速させる必要があります。

このような背景のもと、TICAD30周年を機に、経済同友会、UNDPが共催者として「日アフリカ・ユース起業家フォーラム」を開催することとなりました。本フォーラムでは、若手起業家が持続可能な変革に参画できる環境を構築するための協力と、このテーマにおける2025年のTICAD9での議論形成につなげることを目指し、様々なバックグラウンドの登壇者によるディスカッションを展開します。