ナイジェリアの若者の事業成長と持続可能性をサポートする「カイゼントレーニング」の取り組み
2024年4月3日
国連開発計画(UNDP)は日本政府と協力し、起業家精神と持続可能な開発の促進を目的とした変革的な取り組みとして、ナイジェリア北東部(アダマワ州、ボルノ州、ヨベ州)の若者を中心とした約300人の事業主にカイゼン・トレーニングを提供しています。この研修の目的は、ビジネスを成功させるだけでなく、自分たちの地域社会の経済成長に貢献するために必要なツールや知識を身につけてもらうことです。
カイゼンとは、「より良い方向への変化」や「継続的な向上」を意味し、効率性と卓越性の日本的文化に深く根ざした哲学です。これは、時間をかけてプロセスやシステム、慣行を徐々に向上させていくことを重視しています。カイゼンのアプローチは革新的かつ適応力が高く、能動的な課題解決の文化を育てますが、これは近年のダイナミックなビジネス環境で成功するのに必要不可欠な資質でもあります。このトレーニングでは、専門家たちがカイゼンの手法を使って企業経営者を包括的にサポートします。参加者たちは、カイゼンの手法とツールについて学ぶことができ、この手法は現在、南アフリカ、タンザニア、ロシア、イエメン(UNDPの保健施設改善プロジェクト)の世界トップクラスの企業で大きな効果を上げています。
トレーニングに先立って、参加者たちは8週間の職業技能訓練に着手しました。彼らはさまざまな職業から選択するチャンスが与えられ、さらに事業開始のための起業助成金も支給されました。カイゼン・チームは、起業家たちのビジネスの現場を訪問して進捗状況及び改善が可能な点を確認しました。この実践的なアプローチにより、チームは各起業家が直面する独自の課題を理解し、それに加え彼らの事業や地域社会の具体的なニーズを理解しました。
カイゼン・トレーニングは、参加者に継続的な向上と効率化の文化を浸透させることを目的とした包括的なプログラムです。対話型のワークショップ、実用的なエクササイズ、他の企業による実戦的ケーススタディを通じて、起業家たちはプロセスの合理化と無駄を省く方法、製品やサービスの品質向上の方法を学びます。研修では、社会の一体性を高める人権主流化の考え方の促進や、異なるジェンダーや障害者を持つ人々の包括も教えられます。研修の終了時には、参加者は起業活動の課題を克服し、ひいては地域の社会経済的発展に積極的に貢献できるようになります。
このカイゼン・アプローチを含めた早期復興案件は、若者の力を引き出し、ナイジェリア国内外における包括的で持続可能な開発を推進し、誰一人取り残さないというUNDPのコミットメントを強調するものです。UNDPと日本政府とのパートナーシップは、ナイジェリア内の紛争の影響を受けたコミュニティを支援することを目指しており、必要不可欠な資源やインフラの提供、経済機会の育成や能力開発イニシアティブに至るまで、さまざまな影響力のある取り組みを行ってきました。