日本とアフリカの共創と次世代のリーダーシップ

2023年8月、関西学院大学(KGU)国連・外交統括センターは、同大学の学生や卒業生を集め、国連開発計画(UNDP)総裁補兼アフリカ局長のアフナ・エザコンワによる特別セミナーを開催しました。

2023年10月27日
Photo: UNDP Regional Bureau for Africa

日本とアフリカは深い歴史的な繋がりがあります。これは、1993年以降、アフリカのオーナーシップと国際的パートナーシップという基本原則に基づいて、アフリカと日本がアフリカの発展について協議する場として機能してきたアフリカ開発会議(TICAD)に支えられています。

このような背景から、2023年8月、関西学院大学(KGU)国連・外交統括センターは、「#NextGen TICAD: African-Owned Development for Sustainable Future」をテーマに、同大学の学生や卒業生約30名を集め、国連開発計画(UNDP)総裁補兼アフリカ局長のアフナ・エザコンワによる特別セミナーを開催しました。

エザコンワは、文化的アイデンティティと産業中心主義に根ざした日本の経済的成功との類似点を指摘しながら、アフリカが自らの議論と経済的変革を主導することの重要性を、学生たちに訴えました。また、アフリカの哲学である「ウブントゥ(Ubuntu)」に基づき、関西学院大学(KGU)のパートナーシップが相互尊重とつながりを重視し、グローバルな目標の達成に寄与することの大切さを強調しました。彼女は「若いリーダーは、この哲学を実践して、すべての人のためになるよう奨励されるべきです」と力説しました。

関西学院大学(KGU)国連・外交統括センターの教授で、KGU国際機関人事センター所長の村田俊一氏も、アフリカのリーダーシップの重要性を強調し、UNDPの「プログラム」から「パートナーシップ」への転換を強調し、セクターを超えた協力的な取り組みの必要性と、次世代が変化に大きな影響を与える可能性を示唆しました。

ウブントゥ(Ubuntu)の概念に基づき、パートナーシップ構築における相互尊重の重要性を語るエザコンワ

Photo: UNDP Regional Bureau for Africa

質疑応答セッションでは、日本が若者の発展における投資を増やす効果的な方法について尋ねられた際、エザコンワは次のように述べました。「若者の異文化交流を奨励し、既存の国際交流プログラムを最大限に活用することが、ポジティブな変化と政府の支援を促進できる方法です。また、既存のイニシアティブを活用し、国際イベントのスポンサーシップを模索することも重要です。これは既に有益な進展をもたらしています。」

アフリカの将来の可能性に関して、エザコンワは、アフリカを多様な大陸として認識すべきであり、単一の国という誤解を払拭する必要があると指摘しました。「この多様性を認識することが極めて重要です。アフリカはその物語を再構築し、若者に力を与え、依存から脱却する必要があります。効果的なガバナンスは、豊かな資源を活用して課題に取り組むのに役立ちます。」さらに、「信頼構築が重要である一方、相互理解も同様に重要です。相互尊重、文化的理解、そして貢献の認識に基づくパートナーシップの確立が不可欠です。」と述べました。

さらに、エザコンワは、資源に制約のある状況で課題の優先順位をつける必要性と、革新的な新しい技術が複雑な課題を解決する重要な役割を担っていることを強調しました。「テクノロジーの時代において、アフリカは従来の段階を飛び越え、イノベーションを通じて成長軌道を加速させる可能性があります。UNDPの戦略は、初期投資によって費用対効果の高い長期的な成果を約束し、イノベーションを奨励しています。」

最後に、エザコンワは、ジェンダーと若者に関する格差に対処することの重要性にも言及し、UNDPがより包括的な政策を策定するための政策ガイダンスとデータに基づく洞察を提供していることを強調しました。再生可能エネルギーへの投資もまた、持続可能な成長に向けた戦略的なアプローチであり、世界的な気候変動への目標に沿うものです。彼女は、「私たちの目標は、逆境において希望を見いだし、強靭な未来への道を切り開くことです」と強調しました。

集合写真:エザコンワと参加した学生たち

Photo: UNDP Regional Bureau for Africa