ウクライナで今秋最大のビジネスイベント「メイド・イン・ウクライナ」ビジネス・フォーラムが開催

UNDPと日本政府による支援のもと開催、ウクライナ経済に関わる何千もの人々が集結

2024年10月15日
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Photo: UNDP Ukraine / Andrii Krepkykh

キーウ発 – 「メイド・イン・ウクライナ」ビジネス・フォーラムは、日本政府による拠出およびウクライナ経済省、ウクライナ商工会議所、キーウ・モヒーラ・ビジネス・スクールとのパートナーシップのもと、国連開発計画(UNDP)ウクライナ事務所によって開催されました。本フォーラムは、今年2月に開始された国家政策である「メイド・イン・ウクライナ」について、ウクライナの起業家の理解を促進することを目的として実施されました。

当フォーラムは、起業家、投資家、政府代表者が経験を共有する重要なプラットフォームとなっています。主要テーマとして、持続可能な発展と経済復興を促進する革新的な解決策を通じた、ウクライナ企業に対する支援とウクライナ経済への貢献が含まれました。

参加した起業家は、自社製品の展示、著名なビジネス専門家によるワークショップに参加する他、新たなビジネス・パートナーを見つけ、企業間取引(B2B)の契約を結ぶ機会などもありました。また、「メイド・イン・ウクライナ」の政策立案者や国際パートナーから、ウクライナ・ビジネスを支援するための機会について直接聞くこともできました。

ウクライナ第一副首相 兼 経済大臣であるユリア・スヴィリデンコ氏は、「『メイド・イン・ウクライナ』政策は我々の経済復興の鍵となるものです。ウクライナ経済を原材料の生産から加工品の生産に移行させることを目的としており、そのために生産量を増加させ、実体経済への投資を誘致し、製造品の輸出を促進していきます。これによって、ウクライナ経済は強化され、新しい雇用が創出されます。この変革は、ウクライナ企業が競争力を持ち、付加価値の高い商品を生み出すことで、我々の経済復興の原動力となることを目指しています」と語ります。

松田邦紀駐ウクライナ日本国特命全権大使は、「日本はウクライナに対し120億ドルを超える支援を提供しており、今後も予算支援、人道援助、エネルギー支援を継続します。投資環境の改善に向けたウクライナ政府の多大な努力に応じて、日本はビジネス発展のための制度整備に向けて、利用可能なすべての資源を投入していきます。また、日本は、『メイド・イン・ウクライナ』の取り組みを全面的に支援し、UNDPによるこのような展覧会やビジネス・フォーラムの開催を援助していきます」と述べました。

ヤコ・シリアーズUNDPウクライナ常駐代表は、「本日のイベントによって、ウクライナの起業家がウクライナ経済の復興と変革において重要な存在であることが再確認されました。彼らはウクライナ再建の要になるような驚くべき強靭性と革新的なアプローチを有しています。UNDPはウクライナ政府による『メイド・イン・ウクライナ』政策の実施を支援し、包括的な経済成長に貢献してきました。このプロセスに携われたことを誇りに思います」と話しました。

背景:全面侵攻以前のウクライナには、190万もの零細・中小企業があり、ウクライナ経済を支えていましたが、侵攻によって、このうち65%の企業が事業の中断または終了を強いられました。多くの企業は事業を再開したものの、戦前は72.4%であった生産力が現在は45.7%に下落しています。この大きな下落は、零細・中小企業の復旧と発展を進める、政府と国際パートナーによる継続した支援の緊急性を示しています。

現在、ウクライナの零細・中小企業が直面している主な課題は、戦争によって悪化した人材不足です。零細・中小企業のうち8.4%が、必要とされている労働力の40%未満で運営されている現状を受け、8割の企業が2024年末までに給与を10~30%引き上げる予定です。人材不足の課題がある中で、2024年3月時点で76%の零細・中小企業が一定の従業員数を維持しており、これはウクライナの強靭性を証明するものです。

UNDPは、ウクライナにおける零細・中小企業の支援と包括的な経済成長の促進において、重要な役割を担っています。全面戦争の開始以来、UNDPはパートナーと協力し、零細・中小企業への支援を強化しており、国内の雇用の3分の2以上を提供しています。具体的には、1,500人以上の起業家が助成金を受け取り、4,500以上の雇用が新たに創出されました。また、UNDPが支援するビジネス団体は、現在6,000を超える零細・中小企業を代表しており、16万人以上を雇用しています。UNDPは職業教育訓練(VET)システムへの支援を通じて人材育成にも貢献しており、30の職種で1,240人以上の参加者にトレーニングを提供し、教育機関のインフラ整備を進めています。

「メイド・イン・ウクライナ」ビジネス・フォーラムは、2017年から2023年までUNDPの基幹イベントとして開催されていた「East Expo」を発展させたものです。これまで、地方で2回、全国で6回(うち一回はオンライン)の合計8回のイベントがクラマトルスク、シエビエロドネツク、キーウ、リヴィウで開催されました。これら一連のイベントでは、幅広い聴衆に向けて、350のウクライナの零細・中小企業が商品やサービスのプレゼンを行いました。合計13,000人以上が参加し、B2B会議などを通して、参加企業の約7割が新たな顧客やパートナーと出会うことができました。

2024年は、「メイド・イン・ウクライナ」イニシアティブと連携し、地域に焦点を当てていた「East Expo」を「メイド・イン・ウクライナ」ビジネス・フォーラムとすることで、全国規模のビジネス開発イベントとしました。本フォーラムは、「ウクライナにおける人間の安全保障の変革的回復」プロジェクトにおけるUNDPの幅広い取り組みの一環として、日本政府による支援とウクライナ経済省との協力のもとで開催されます。