UNDP、中央アジア都市部における強靭性向上のための地域プロジェクトを開始
2024年12月19日
12月12日、タシュケント発 – 中央アジアは地震、洪水、干ばつ、雪崩、土砂崩れなどの自然災害や気候変動による影響に対して最も脆弱な地域の一つです。過去10年間で、これらの災害はカザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの各国で数千人の命を奪い、数百万の人々に影響を与えてきました。生態系や水資源、社会経済システムへの気候変動による負荷が高まる中、先を見据えた災害リスク削減や気候に対する強靭化への戦略がこれまで以上に必要となっています。
これに対応するため、国連開発計画(UNDP)は、日本政府による支援のもと、「中央アジアにおける災害リスク及び気候変動に対する都市強靱性向上計画」と題する画期的な地域プロジェクトを立ち上げ、ウズベキスタンにおいては、同国の生態系・環境保全・気候変動省と連携して実施されます。本プロジェクトは、地域協力を推進し、革新的な都市計画アプローチを活用することで、特に都市部の気候に対する強靭性を向上させることを目的としています。プロジェクトの総予算は500万ドル以上であり、2024年から2027年にかけて実施されます。
本プロジェクトは、地域協力と国別行動計画の双方を推進し、中央アジアにおける都市の強靭性向上のための強固な枠組みを構築するものです。この重点的アプローチは、持続可能な発展の推進とともに、都市環境を気候変動に起因するリスクに適応させるという喫緊のニーズに対応します。また、本プロジェクトの目標は、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの各国における都市計画および強靭性向上に向けた戦略の包括的な変革を実現することにあります。
プロジェクトの発足会議で、アジズ・アブドゥハキーモフ・ウズベキスタン生態系・環境保全・気候変動大臣は、「今世紀末までに中央アジアの平均気温が3〜5℃上昇する可能性を示す調査結果があります。これにより積雪が減少し、水循環が変動し、洪水、砂嵐、干ばつなどの極端な気象現象のリスクが高まるとともに、地域の生態系や経済にかかる負担が増大します。これらの問題を乗り越えるには長い道のりを歩まなければなりません。しかし、中央アジアにおける地域間の結びつきを強化し、それぞれの取り組みを組み合わせる本プロジェクトは、自然と調和した持続可能な開発の実現を目指す励みとなります」と語りました。
羽鳥隆駐ウズベキスタン日本国特命全権大使は、「日本は、地震、台風、洪水などの災害において長い歴史を持つ国であり、本プロジェクトでは、災害リスク削減に関する先進的な知識と技術を提供します。本会合は、関連するパートナーを一堂に集め、専門知識を共有し、課題を議論し、協力の可能性を探り、パートナーシップを強化することを目的とします」と協力を呼びかけました。
藤井明子UNDPウズベキスタン常駐代表は、気候変動対策の緊急性を強調し、「気候変動は、中央アジアの環境、生態系のバランス、そして社会経済システムに深刻な脅威をもたらしています。地域における急速な都市化の中で、持続可能で気候に対して強靭な開発のためには、都市インフラおよび都市計画に気候適応戦略を組み込むことが不可欠となります。本プロジェクトにおいて私たちは、これらの課題に取り組む、統合された地域アプローチを構築することを目的としています」と述べました。
背景:
世界銀行によると、中央アジアの主要都市における人口は、過去20年間で平均48%増加し、538平方キロメートルの土地が占有されました。この急速な都市拡大は、電力、水、交通、医療、食料供給システムなどの主要インフラへの負担を増大し、気候変動に対する脆弱性を高めています。
地域協力:
中央アジアの共通の歴史と相互に関連する生態系は、地域協力の重要性を強調するものです。本プロジェクトでは、都市開発、水管理、交通、エネルギーの課題に取り組むために、既存の協力プラットフォームを活用します。日本政府による支援および強靭で持続可能な都市開発に向けた統一されたビジョンのもと、本プロジェクトは、中央アジアにおける気候変動対策強化