ウクライナのリヴィウで、若者向けに3日間のメディア・リテラシー研修を開催

2023年11月16日
Photo: Detector Media

ウクライナ・リヴィウ発 - NGO「ディテクター・メディア (Detector Media)」はUNDPウクライナの支援を受け、ハルキウ、スーミ、ドニプロペトロウスク、ドネツク、ヘルソン、ザポリッジャ、ミコライウ、ルハンスクとオデーサ各州の若者を対象にメディア・リテラシー研修を実施しました。88名の応募者の中から選ばれた18名の参加者が、教育プログラム『Contradeza』の研修を修了しました。

前述のいずれかの地域に住んでいることに加え、18歳から25歳であることが参加の条件とされました。また、この教育プログラムに選ばれるには、メディア・リテラシーに関するストーリーまたは投稿を作成し、自身のソーシャルメディア・アカウントで公開するというのが条件となっていました。

参加者は3日間の研修の間、プロパガンダの心理的影響、誤情報に対抗するマルチメディアの活用法、閲覧者数の増加方法、人前での話し方やソーシャル・ネットワークにおける誤報などに関する講義を受けました。プログラムの要件によると、参加者は今後、習得したメディア・リテラシーの知識をそれぞれの地域の仲間と共有し、学んだことをさらに広める計画です。

プログラムには、ウクライナを代表するジャーナリスト、作家、プロデューサー、テレビやラジオのプレゼンター、メディア研究者やメディア講師が登壇。

「ディテクター・メディア」のプログラムディレクターであるヴァディム・ミスキィ氏は、「若者を教育するだけでなく、その知識を伝えるための手段や動機付けを与えることも重要であり、そうすることで、若者が誤情報を認識し、それに対処する方法を知ることができるようになります」と指摘しました。「『連帯した努力なしには、誤情報に打ち勝つことはできない』が『Contradeza』のモットーに掲げられています。というのも、互いに知識を共有し、情報操作に対抗するための積極的な努力をすることによってのみ、私たちは集団的な耐性を身につけることができるからです」と付け加えました。

タラス・シェフチェンコ記念キエフ国立大学ジャーナリズム教育科学研究所の学生で、ドニプロ市出身のミシェル・ボンダルさんは、この3日間で、ジャーナリズムを学んだ2年目全体よりも多くのことを学んだと語りました。「このプログラムは私の興味をすぐに引きました。なぜなら、同プログラムに応募するには、単に志望動機書を書くだけでなく、実践的な課題をこなさなければならなかったからです。既にコンテンツを作成する過程で多くの喜びを感じてきたので、プログラムを修了した今、素晴らしい印象を受けています。実際に役立つケース、経験豊富な講師と意欲的な参加者の仲間、そしてもちろん、美しいリヴィウの街。これらすべてが組み合わさっていました」とボンダルさんは言います。

ハルキウ州ノヴォポクロウ青年協議会会長のコスティアンティン・パブロウさんは、「多くの感銘を受けました!アリョーナ・ロマニュク氏は、覚えやすく、すぐに実践できる演習をたくさんしてくれました。彼女は素晴らしい講師です。私たちの関心を引きつける方法を熟知しており、自身の経験に基づいた事例をもとに自分の考えを話してくれました」と述べました。

「素晴らしい声を持つヴィクトリア・ポルチェンコ氏も良かったです。彼女は自分の経験を分かち合い、私たちを激励してくれました。アナスタシア・シムチュク氏のアドバイスも貴重でした。また、完璧な情報構成を行い、適切な例を見つけて私たちに伝えてくれるリディア(リディア・スモラ=執筆者注)を挙げないわけにはいきません」とパブロウさんは付け加えました。

『Contradeza』教育プログラムは、日本政府の資金援助を受け、UNDPウクライナのプロジェクトである「戦争による多次元的な危機への対応を通じたウクライナにおける人間の安全保障の推進」の補助金事業「戦時下における誤情報への対処とメディア・リテラシー向上における市民社会の関与」の枠組みの中で実施されました。

メディアお問い合わせ先:Yuliia Samus - UNDPウクライナ広報担当 (Email: yuliia.samus@undp.org)

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