日本とUNDP、ウクライナ経済省と連携し、「メイド・イン・ウクライナ」オフィスをオーデサに開設、起業家を支援

オデーサ州雇用センターを拠点とする地域「メイド・イン・ウクライナ」ビジネス相談室の開設により、現地の起業家による新たなビジネスの創出、拡大を支援します。

2024年6月6日
Photo: UNDP Ukraine / Viacheslav Kotliarenko

2024年5月30日 オデーサ—日本政府と国連開発計画(UNDP)は、ウクライナ経済発展・貿易省、国家雇用サービス、オデーサ州雇用センターと協力し、オデーサにビジネス相談室「メイド・イン・ウクライナ」の州事務所を開設しました。これは、ウクライナの製造業者を支援し、ウクライナ経済を強化することを目的とした包括的プログラムである「メイド・イン・ウクライナ」モデルの9番目の相談室となります。

2023年、オデーサでは300近い民間のインフラ施設が砲撃によって被害を受けました。こうした状況にもかかわらず、オデーサ州の経済は戦時下の困難な環境でも活動を続け、現在の環境に合わせて成長するよう努力しています。原材料や製品の流通が困難且つ複雑になる中、また敵対行為による電力供給の制限の中で、99,400社の中小企業がこの地域で操業を続けています。そのうち5,000社以上は2023年に企業活動を開始しました。

ビジネス相談室「メイド・イン・ウクライナ」は様々な活動を提供する場所であり、国家と企業間のコミュニケーションを強化するため、ウクライナ全土の雇用センターでの開設が計画されています。起業家はここで、国や州が提供する起業家向けのビジネス支援プログラムに参加するための条件や登録方法について詳しく学んだり、起業や事業拡大に関する研修を受けたり、助成金の申請方法を学んだり、政府機関や銀行などとのやり取りの際に役立つ支援を得たりすることができます。

ユリヤ・スヴィリデンコ ウクライナ第一副首相兼経済発展・貿易大臣は、破壊されたウクライナのインフラと経済の復旧、ウクライナの安全保障と防衛分野の能力を十分なものにするためには、起業家の育成なくしては不可能であると指摘しました。 「全面的な侵攻が始まって以来、オデーサは繰り返しロシア軍の標的となってきました。しかし、組織的な砲撃にもかかわらず、起業家たちは働き続け、雇用を提供し、税金という形で国家予算に財政的な貢献をしています。ビジネス相談室「メイド・イン・ウクライナ」州事務所の開設により、より多くの地元企業が国の支援プログラムに参加できるようになります」とスヴィリデンコ第一副首相は述べました。

ヤコ・シリアーズUNDPウクライナ常駐代表は、ウクライナ経済発展・貿易省とUNDPの協力が10年以上続いていることに触れ、次の様に述べました。「私たちは一貫して、ウクライナ政府による経済発展に向けた努力を支援しており、民間セクターの開発は常に優先事項です。私たちの包括的な協力アプローチは、助成金やインフラ関連のソリューションといった直接的な支援と、各種サービスへのアクセスを改善することによる起業家の能力構築を組み合わせたものです。日本からの寛大な支援を受けてUNDPが今般設置したビジネス相談室「メイド・イン・ウクライナ」は、これらのアプローチを組み合わせることで、ウクライナにおけるビジネス環境を向上しています」とシリアーズ氏は述べました。

背景

オデーサ州のビジネス相談室「メイド・イン・ウクライナ」事務所は、日本政府の資金援助を受けてUNDPが実施している「ウクライナにおける人間の安全保障のための変革的復興」プロジェクトの一環としてウクライナ経済発展・貿易省、国家雇用サービス、オデーサ州雇用センターとの協力の下、UNDPウクライナの支援により設置されました。