ウクライナ国家警察の科学捜査部署が車両と移動式DNAラボを受領

機材供与によりウクライナ国家警察の科学捜査能力を強化

2024年5月16日
機材の入った箱を見る人々

ウクライナ国家警察への機材の供与式

Photo: UNDP Ukraine

2024年5月15日 キーウ発

国連開発計画(UNDP)ウクライナは、日本政府の資金拠出を受けて、ウクライナ国家警察の科学捜査部門に機材を供与しました。これは、「戦争による多次元的危機への対応を通じたウクライナにおける人間の安全保障の促進」プロジェクトを通して提供される幅広い支援の一環として実施されました。

大型車両26台、科学捜査キット、移動式DNA技術ラボ (ANDE社製)、及びその他関連機材が、ウクライナ国家警察の各州における科学捜査班に送られ、より効果的に作業ができるようになりました。装備された移動式科学捜査ラボは、複雑な捜査に対応し、現場での困難な状況下で迅速に人々のDNA情報を特定するのに役立ちます。

ヴァシル・テテリヤ内務副大臣は、UNDPウクライナと在ウクライナ日本大使館に対し、今回の支援に対する謝意を表明しました。「日本政府とUNDPは今日、ウクライナの人々に寄り沿って支援してくれています。このようなプロジェクトは、ウクライナが勝利するまで続けなければなりません。そして、間違いなくそうなるでしょう。なぜなら、ウクライナは強く、不滅だからです」とテテリヤ内務副大臣は述べました。

マクシム・ツツキリゼ ウクライナ国家警察第一副長官は、国際的なパートナーの協力により、科学捜査班の能力が大幅に向上し、戦争犯罪の効果的な記録に貢献することになると指摘しました。「残念ながら、ウクライナの地図上に安全な場所は一つもありません。だからこそ、これらの車両と移動式DNA技術ラボは、ウクライナのすべての地域を回ることになります。」と同氏は述べました。

松田邦紀駐ウクライナ特命全権大使は式典にて、戦争による危機的状況の中で、ウクライナの司法機関が引き続き回復力を維持し、高い効果を発揮できるよう支援する日本の決意を改めて表明しました。「本日、私たちが提供する機材や機械は、すべての人に正義を保障し、ウクライナの人々に希望と平和をもたらすための重要な道具として役立つと確信しています」と述べました。「この場を借りて、献身と尊厳をもってウクライナ国民に奉仕している国家警察官と科学捜査官に対する深い賞賛と心からの感謝を表明したいと思います」と松田大使は強調しました。

ヤコ・シリアーズUNDPウクライナ常駐代表は、人権と尊厳を守るためには戦争中の司法へのアクセスが極めて重要であることを力説しました。「私たちは、これら機材が科学捜査班の能力を大幅に強化し、新たな課題に効果的に立ち向かい、誰一人取り残すことなく、すべての人のための司法へのアクセスを確保すると確信しています。」とシリアーズ代表は述べました。

青山彩子 警察庁長官官房審議官(国際担当)は、「UNDPとの協力のもと、昨年7月及び10月に、我々警察庁は、ウクライナ国家警察及び内務省から総勢25名の方々を日本にてお迎えし、実務研修を提供することができました。日本がウクライナの友人たちと協力する方法は多数あり、今後も協力関係を継続できると確信しています」と述べました。