途上国の気候変動対策に日本から4,200万ドルの支援 〜緩和・適応策を推進〜

2022年4月4日

 

Photo: UNDP Lebanon

 

UNDPは、プロジェクト「気候の約束(Climate Promise)」の次フェーズ実行に向け、日本から多額の資金提供を受けました。資金は23の国と地域にて気候変動にかかる目標を達成するための活動に使われます。日本はこのプロジェクトの第2フェーズ最大のパートナー国となります。

ニューヨーク発 ― 国連開発計画(UNDP)は日本より、各国が自国の気候変動対策として、温室効果ガス排出量削減目標等を含む「国が決定する貢献(Nationally Determined Contribution, 略称NDC)」を実現するための支援として、新たに約4,200万米ドル(約49億円)を気候変動対策資金として受けました。

本拠出金は、アジア・太平洋をはじめ、欧州・中央アジア、アフリカ、アラブ諸国の23カ国・地域のUNDPの現場において、気候変動にかかる目標を実現するための活動を支援するものです。各国・地域のクリーンエネルギーの推進、ネット・ゼロ(脱炭素)を達成するための気候変動対策の加速、既に気候変動や災害の影響を受けている脆弱なコミュニティや地域における適応対策等を支援します。

アヒム・シュタイナーUNDP総裁は、「気候変動の影響が強まり、各国・地域がその将来について重大な決断を迫られる中、世界で最も脆弱なコミュニティが気候変動に対処するために支援を必要としています。UNDPの『気候の約束(Climate Promise)』は意欲的なイニシアティブですが、これに対して日本がこのたび寄せてくださった支援は、23か国・地域が、目標を具体的な行動に移し、ネット・ゼロの未来を築くための支援を行うものです。これには、社会の脱炭素化、クリーンエネルギーへの移行加速、深刻化する気候変動の影響への適応等が含まれています。」と述べました。

国連日本政府代表部は、「気候変動は、各国が団結して対応しなければならない地球規模の脅威です。日本はUNDPと連携し、途上国がクリーンエネルギー技術に投資するきっかけを作り、次世代エネルギーインフラの整備を促進、温室効果ガス排出削減に必要な適切な技術を普及させることで、途上国の社会変革を促進していきます。さらに、日本は23の国・地域における各案件を通じて、各国のNDCの実施や気候変動適応策を支援していきたいと考えています。」と述べました。

UNDPの「気候の約束(Climate Promise)」は、パリ協定の目標達成に向けて各国が自国の目標や約束を実現するための世界最大のイニシアティブです。パートナー国・機関とともに、このイニシアティブは現在、世界の全開発途上国の80%に相当する120か国で、政府と社会の関係者を巻き込みながらNDCを定めるための支援を行っています。現在までに、これらの国のうち94か国が国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)にNDCを提出し、その実施に向けて努力しています。

昨年11月にスコットランドのグラスゴーで開催された第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)において、UNDPは「気候の約束(Climate Promise)」が次のフェーズに入り、目標策定(NDC)をするための支援から、目標を具体的な行動に移すための支援へ拡大することを発表しました。日本は、この画期的なイニシアティブの次フェーズにおける最大の支援国となり、長年の資金提供パートナーであるドイツ、スウェーデン、EU、スペイン、イタリア、そして英国、ベルギー、アイスランド、ポルトガルなどの新しい資金提供パートナーとともに、NDCパートナーシップと協力してこの取り組みを加速させます。

詳細については、「気候の約束(Climate Promise)」のウェブサイトや関連記事をご覧ください。