日本とUNDPがラオスの災害対応能力の強化に向け協力

2024年11月25日
a group of people posing for the camera
Photo: UNDP

2024年11月19日、小泉勉駐ラオス人民民主共和国日本国特命全権大使と、マルティン・テレル国連開発計画(UNDP)ラオス事務所常駐代表は、無償資金協力「避難所設置による災害対応能力強化計画(供与額6.15億円)」に関する書簡に署名しました。

本プロジェクトでは今後3年間で、ラオス政府労働社会福祉省がカムアン、サラワン、チャンパサックの3県において、災害時に100万人以上の人々に当面の安全を提供する12の避難所を設置します。これら避難所の建設に加え、避難所の選定と評価のための国家ガイドラインの改訂を支援し、緊急時に人々を守るための強固で包括的な設計と適切な設備を有する避難所の設置を目指します。また、プロジェクトを通じて得られる優良事例や教訓は、長期的な防災対策の強化のために体系化・活用される予定です。

小泉特命全権大使は、「このプロジェクトを通じて、非常時における人々の安全を確保するだけでなく、災害に対する意識と備えの文化を醸成することで、災害に強い国づくりを支援します。日本は戦略的パートナーとして、ラオスの強靭性強化に引き続き貢献していきます。」と述べました。

テレルUNDPラオス常駐代表は、「災害に強いインフラの整備や災害対応に関連する政策への支援を通じて、国やコミュニティレベルの対応能力を強化することを目指します。災害発生時に、個人が生活を守り、経済面での回復力を高め、社会経済的不平等を減らすことが本プロジェクトの目標です」と述べました。

ラオスは自然災害の発生率が高く、気候変動や森林伐採によってさらに状況は悪化しています。2024年9月には、大雨と洪水を引き起こした大規模な台風Yagiにより、北部・中部地方では145,000人以上が被災し、広範囲にわたる被害を及ぼしました。度重なる災害は地域社会の脆弱性を悪化させ、社会的・経済的開発の課題となっています。洪水などの自然災害は、特に最貧困層のコミュニティにおいて、貧困、食糧不安、社会経済的脆弱性を悪化させます。さらに、強制移住、中途退学、雇用機会の喪失、違法行為の増加など、様々な形でその影響が現れます。

日本政府は、さまざまな側面から人間の安全保障を推進しています。特に、気候変動への適応と災害リスクの軽減に向けた地域的・地球規模での投資や、大規模な避難所建設に関する専門知識の共有を通じて、日本は災害多発地域のコミュニティの安全性と回復力の強化に重要な役割を果たしています。災害対応能力の強化に関する今回の新たな協力関係は、日本政府とUNDPのグローバルな、特にラオスにおける強固なパートナーシップを反映したものであり、すべての人々にとってより強靭で安全な未来に向けて取り組むという共通のコミットメントを示しています。