2021年3月、日本政府の支援を受けた「ナイジェリア北東部およびミドル・ベルト地帯の紛争地域における社会の安定化および安全対策プロジェクト」がスタートしました。このプロジェクトは、社会の安定と安全を向上させ、両地域における新型コロナウイルス感染症の世界的大流行による社会的悪影響を緩和することを目的としています。プロジェクトで提供される支援分野の1つは、地方行政の支援です。紛争地域における地方行政を改善するため、国連開発計画(UNDP)は州政府、地方政府、地域社会の能力開発を支援しています。
その一環としてUNDPは、政府職員の能力開発において豊富な経験がある国際協力機構(JICA)と連携協定を結び、2018年から共同での活動を実施しています。
2021年10月25日から29日まで、UNDPとJICAはナイジェリア北東部およびミドル・ベルト地帯の6州から各8人、計48人の地方政府職員の能力開発を目的に、アブジャで1週間のワークショップを共催しました。このワークショップでは2つの分野を取り上げました。1つ目の分野は、日本の戦後復興の経験と、復興過程で地方政府が果たした役割についてです。講義やディスカッションは、日本のJICA本部や広島事務所をオンラインでつないで行われました。2つ目の分野は、ナイジェリアの地方政府に関連する実務的な問題への対処と政策立案です。このテーマについて講義とディスカッションが行われました。ワークショップ期間中には、在ナイジェリア日本国大使館の松永一義特命全権大使が会場を訪れ、参加者を激励されました。
ワークショップの最終日には、6つのグループに分かれた参加者全員が、ワークショップから何を学んだか、ワークショップで得た知識をどのように仕事に活かすかなどをまとめたレポートを発表しました。多くの参加者が心に残る学びとして挙げた点の1つは、戦後の復興過程にあった日本の広島市において、地方政府と市民が相互理解を通して協力したことでした。参加者は学んだことを広め、それぞれの地方行政区(LGA)で取り組みに着手すると約束しました。ワークショップ終了後の参加者の活動については今後フォローアップを行います。