日本とUNDPの協力でウクライナの退役軍人へのビジネスを支援

2025年3月25日

キーウ発 — 国連開発計画(UNDP)ウクライナ事務所は、日本政府の支援を受け、教育助成プログラム(現地での通称「トラジェクトリー2」)のパートナー機関となりました。このプログラムでは、特に戦後復旧の中で、退役軍人や現役軍人、その家族が自分でビジネスを始めたり、発展させたりすることを支援します。

ウクライナ退役軍人基金によると、退役軍人の30%が職を見つけることができていません。また、現役軍人を対象とした調査では、33%が雇用支援を必要としており、28%が退役軍人向けの支援プログラムに関する情報を求め、27%が教育や再訓練サービスを探していることが明らかになりました。

「トラジェクトリー2」プログラムは、退役軍人、軍人、その家族の起業活動を促進するために、研修、実践的ツール、財政支援を組み合わせた包括的なサポートを提供します。

2か月間の研修コースでは、「起業の基礎」「財務管理」「デジタル化」「マーケティング」という4つの主要分野を扱います。10人以上の一流の専門家が講師を務め、自身の経験を共有し、理論に加えて、ビジネスの立ち上げや拡大に関する実践的なアドバイスもします。また、参加者は個別支援を受けながら、事業計画の策定を進めます。

研修の最終イベントとして「グランド・ピッチ・デー」が開催され、ランキング上位10名の参加者が賞金を競い合います。「ビジネス初心者」部門では100万フリヴニャ(約2万4,000米ドル)、「経験豊富な起業家」部門では200万フリヴニャ(約4万8,000米ドル)が授与されます。最終的に、最優秀の事業計画を持つ68名の参加者が、各種カテゴリーにおいて財政支援を受けます。

ミハイロ・フェドロフ ウクライナ副首相(イノベーション・教育・科学・技術開発担当)兼デジタル変革大臣は、第1期の成功を強調しました。「デジタル改革省のチームは、ウクライナ国民が自身のアイデアを実現し、ビジネスを発展・拡大できるよう支援するプロジェクトを継続的に立ち上げています。その一つが『軌跡』教育助成プログラムです。このプログラムは、退役軍人や軍人、またはその配偶者に、起業のための知識、専門性、資金を提供します。第1期では、50人のファイナリストが自身のビジネスのための資金を受け取りました。我々はパートナーと協力し、第2期を開始することで、できるだけ多くのウクライナ国民が自身のアイデアを実現し、可能性を広げる機会を得られるようにします。」

ヤコ・シリアーズ UNDPウクライナ常駐代表は、「トラジェクトリー2」のような取り組みが退役軍人の経済的回復力や社会復帰を促進する重要性を強調しました。

「最新の被害・ニーズ評価によると、退役軍人の雇用と再訓練は最優先課題の一つです。退役軍人やその家族を起業を通じて支援することは、ウクライナの復旧に向けた重要な一歩となります。日本政府の支援とデジタル改革省との協力のもと、UNDPは経済回復と持続可能な未来のための基盤を築く取り組みを続けていきます。」

背景

「トラジェクトリー2」教育助成プログラムは、ウクライナのDiia.Businessビジネス支援センターネットワークが、ウクライナデジタル改革省、起業・輸出促進局の支援を受けて実施されます。これは、日本政府、UNDPウクライナ、Mastercard、UKRSIBBANK BNP Paribas Group、Auroraマルチマーケットネットワークによって資金助成を受けています。