必須インフラの復旧、治安の改善、人権の推進、司法アクセス確保を重点にパートナーシップを拡大
日本、ウクライナの復興に9,500万ドルの追加支援
2023年1月18日
キーウ(ウクライナ)、2023年1月12日 – 日本政府はこのたび、戦争で生じた多次元的危機に包括的な対応を行うための支援として、国連開発計画(UNDP)に対する9,500万米ドルの拠出を発表しました。UNDPウクライナ事務所にとって、これまでで最大の金額となるこの新たなパートナーシップ協定は、ウクライナにおける復興と人間の安全保障回復を支援するものとなります。
今回の拠出は昨年4月、緊急爆発物(EO)除去・がれき撤去支援として日本が拠出した450万米ドルの追加支援となるもので、侵攻で最も大きな被害を受けた地域の必須インフラの復旧、治安改善、人権推進、司法アクセスの確保を目的としています。また、爆発物や環境危険からコミュニティを守るプログラムの拡大にも用いられる予定です。
イバーナ・ジィブコビッチ国連事務次長補兼UNDP総裁補・ヨーロッパCIS局長は「ウクライナのレジリエンス強化と復興に向けたUNDPの支援に対する信任として、今回の拠出には深く感謝しています。この新たな協定は、ウクライナの尊厳と豊かさを回復するうえで、さらに重要な一歩となります」と述べています。
UNDPはプログラムの実施にあたり、ウクライナ政府との密接な連携により、戦争危機からの復旧・復興に対する政府のリーダーシップと自主性の強化を図るとともに、マルチステークホルダー、マルチパートナー型の多次元的アプローチで、ウクライナの人々に対する支援に取り組んでゆきます。プログラムは政府の優先課題に沿い、(1) エネルギーをはじめとする必須インフラの復旧、(2) 安全な再建に向けたがれきや危険物の撤去、(3) 爆発物や地雷に対する民間人の保護、(4) 政府の危機対応・管理能力の強化、(5) あらゆる人々の治安、人権、司法アクセスの改善の5つを重点分野としています。
松田邦紀駐ウクライナ日本国特命全権大使は「今年のG7議長国として、日本は他のG7諸国や、国連機関を含む国際社会と協力しながら、昨年と同様、ウクライナの人々に対する支援と援助の提供を続けてゆきます。今回のプロジェクトには、UNDPが世界各国でのさまざまな援助活動を通じて蓄積した知識と経験をお借りしながら、多数の地域で多岐にわたる援助を提供するという独自性があります」と語っています。松田大使はまた、UNDPがこのプロジェクトを重要視し、その効果に大きな期待を持っていることは、イバーナ・ジィブコビッチ局長のウクライナ訪問が証明していると指摘しました。
オレクサンドル・クブラコフウクライナ副首相兼地域社会・領土・インフラ開発担当大臣であるオレクサンドル・クブラコフ氏は、ロシアの侵攻に対するウクライナの戦いを支援する国際パートナーに謝意を表しました。
クブラコフ副首相は「ウクライナ軍が侵略者からの国土解放を進める中で、政府は国際パートナーと手を携えながら『サバイバル・プロジェクト』の実施に取り組んでいます。その中には、解放地域との輸送接続の回復や、(住民の)安全な帰還に向けた条件の整備、地域経済への支援が含まれています。ロシアのテロリスト体制に対する我が国の闘争を、文明世界全体が結束して支援していることに、心を強くしています」と述べました。
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Yuliia Samus, UNDP Ukraine Head of Communications
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