UNDPウクライナとアスペン研究所、ビジネス界と政府間の建設的な対話を促進

円卓会議の開催を通じて、ウクライナの起業家が「メイド・イン・ウクライナ」国家プログラムの関係者と直接議論をする機会に

2025年4月3日
Three professionals seated at a conference table, engaged in discussion, with smiles and serious expressions.
Photo: UNDP Ukraine / Yevhen Korol

キーウ発 – ウクライナの経済発展に関する重要なイベントである円卓会議「メイド・イン・ウクライナ:2025年の機会と優先課題」が3月24日にキーウで開催されました。本イベントは、日本政府の資金協力のもと、国連開発計画(UNDP)ウクライナ事務所がウクライナ経済省およびキーウ・アスペン研究所との協力によって開催、建設的な対話を促進する取り組みとなりました。

この対話イベントには、ビジネス界のリーダー、政府機関の代表者、経済界の第一線で活躍する専門家が参加しました。議論の冒頭で、ユリヤ・スヴィリデンコ ウクライナ第一副首相兼経済大臣が政府の「メイド・イン・ウクライナ」政策に関する報告を行いました。その後、今年の同プログラムの以下の7つの優先課題を中心に参加者による活発な議論が展開されました。

  • ウクライナ製品への需要促進
  • 生産者への資金提供の拡大と実体経済への投資誘致
  • 「5-7-9%低利融資プログラム」の投資目的への重点転換
  • 地域社会における産業団地および産業インフラの発展
  • 付加価値の高い製品の輸出促進
  • ウクライナ製品の新市場への進出支援およびウクライナ企業の国際的なサプライチェーンへの統合
  • 「メイド・イン・ウクライナ」政策の実施における銀行システムの役割の強化

スヴィリデンコ 第一副首相兼経済大臣は、「昨年、ウクライナ政府が『メイド・イン・ウクライナ』政策を立ち上げた際、私たちの戦略的目標は、原材料ベースの経済構造をハイテク志向に転換し、付加価値の高い製品の生産を増やすことでした。自国生産による設備、医薬品、衣類が特に重要です。これこそが国の独立性を担保するものとなります。全ての新しい工場や技術がウクライナを強固にします。現在、『メイド・イン・ウクライナ』政策には、融資、補助金、補償など産業を支援する14のプログラムがあります。昨年だけで、その資金は340億フリヴニャ(UAH)を超えました。今年も優先課題は変わりません。生産の発展、実体経済への投資誘致、非資源輸出の拡大です」と語りました。

中込正志 在ウクライナ日本国特命全権大使 は、同取組に対して次のように取り組みの重要性を強調しました。「ウクライナが公正かつ持続的な平和に近づく中、『メイド・イン・ウクライナ』はこれまで以上に重要なものとなっています。このビジョンの実現は、侵略による被害からの復興だけでなく、雇用創出を含む長期的な強靭性と発展の基盤を築くことにつながります。日本の支援の一例として、チェルカースィのイスズ・アタマン工場が『メイド・イン・ウクライナ』の好例となっています。日本は引き続きウクライナと共に歩み、より強くき強靭な未来を築くことに尽力します。」

クリストフォロス・ポリティス UNDPウクライナ事務所 常駐副代表は、次のように述べました。「日本国民および政府の寛大な支援により、UNDPはウクライナ政府が『メイド・イン・ウクライナ』のビジョンを実現できるよう、政策枠組みの強化、『メイド・イン・ウクライナ』オフィスを通じたエコシステムの拡充、政府および民間部門の能力開発の支援を行っています。UNDPは、引き続きビジネス界との包括的な政策対話を推進し、こうしたパートナーシップの育成に取り組んでいきます。」 

デニス・ポルタヴェツ キーウ・アスペン研究所 プログラム開発部長 は、「ウクライナ経済が直面する課題に対する効果的な解決策を見出すためには、誠実で率直な意見交換が不可欠です。私たちは互いに耳を傾け、さまざまな視点を比較し、国内生産者を強化する方法について共通理解を築くことが非常に重要です。」と締め括りました。


背景

本イベントは、キーウ・アスペン研究所がUNDPウクライナ事務所と連携し、日本政府の資金提供を受けてUNDPウクライナ事務所が実施している「ウクライナの人間の安全保障のための変革的復旧プロジェクト」の一環として開催されました。