日本とUNDPがハイチにおけるパトロール車両・救急車の整備を通じた国家警察の強化に向け協力

2024年1月23日
Photo: UNDP Haiti

2023年12月12日、山田重周・在ハイチ臨時代理大使とザビエル・ミション・国連開発計画(UNDP)ハイチ事務所常駐代表代理は、無償資金協力「ハイチ国家警察能力向上計画(供与額2.95億円)」を行うため、司法省・公安省及びハイチ国家警察代表の立ち会いの下、協力に関する書簡に署名しました。

本プロジェクトは、ハイチ国家警察にパトロール車両24台と救急車8台を提供し、住民の間での警察の存在感を高め、活動中に負傷した警察官を支援・避難させる能力を向上させることを目的としています。警察の活動範囲と対応能力を大幅に向上し、警察の存在が目に見えるようになることで、犯罪との闘いに不可欠な住民の信頼も得られることが期待されます。

また、このイニシアティブは、ハイチの戦略的開発計画、国連開発協力枠組み2023-2027、ハイチ共和国に対する日本の協力枠組みに沿ったものです。警察に対する国民の信頼を回復し、同国の社会経済開発活動の復活を促進するため、同国の治安強化に貢献することを目的としています。

ラルフ・スタンリー・ジャン・ブライス監察官は、署名式典で司法・公安大臣を代表し、「日本とUNDPのこのパートナーシップは成功モデルです。司法・公安省はUNDPと日本に対し、この新たなパートナーシップだけでなく、過去、現在、そして将来にわたり、私たちの制度強化に関与してくれたことに感謝の意を表したいと思います。ハイチと日本・UNDPとのパートナーシップは、ハイチ国民に対する長期的なコミットメントであることを誇りに思います」と述べました。

ザビエル・ミション常駐代表代理は、「持続可能な解決策を模索し、ハイチ、特にハイチ国家警察及び国家当局を支援するため、日本とUNDPの間で数年にわたって構築されてきたダイナミックなパートナーシップを反映するという意味で、この式典はUNDPにとって最も重要なものです」と述べました。

山田臨時代理大使は、ハイチ国家警察の能力を強化することは、多国籍治安支援ミッションの派遣と並行して、長期的に同国を安定させるために不可欠であることを強調しました。また、「この精神に基づき、治安の悪化と権利の平和的享受の剥奪の影響を受けている住民を支援するため、国家警察を含むハイチ政府の努力を日本は引き続き支援する」と述べました。

さらに、ハイチ国家警察事務局長の代理としてジスレーヌ・デジレ部長は、このイニシアチブを称賛に値する国際協力の一例として歓迎し、ハイチ国家警察に提供される新しい機材を合理的かつ効果的に活用するというハイチ国家警察のコミットメントを改めて表明しました。

過去2年間、ハイチ国家警察は同型のパトロール車両を導入しており、保有車両を標準化するというハイチ国家警察の経営陣の決意が表れています。本プロジェクトによる車両の追加により、ハイチ国家警察は車両1台につき7~8人の警察官を配備し、200人近い警察官を同時に出動させることができるようになります。また、パトロール車両に関するハイチ国家警察の優先的ニーズの約10%を満たします。また、救急車はハイチ国家警察が複数の活動拠点を同時に避難させることを可能にします。

なお、本プロジェクトはハイチ国家警察共同支援プログラム(バスケット基金)の継続事業としても位置づけられ、ニペス県本部やミラゴアンヌ警察署の建設が日本政府により支援されています。