ウクライナの司法・緊急サービスにおける女性のエンパワーメントの促進
2024年3月8日
キーウ、2024年3月5日 − 国連開発計画(UNDP)ウクライナは、日本政府および内務省の支援を受けて、平和と安全保障分野における女性の認知度とリーダーシップを高めることを目的とした、大々的なイベントを開催しました。ウクライナにおける「女性、平和、安全保障 (Women, Peace , and Security: WPS)」アジェンダを推進することへの決意の下行われたこの集会には、ウクライナの司法機関や緊急サービスに従事する女性や男性、そして戦争で被害を受けた人々を支援し、すべての人々が司法をより利用しやすくするという共通の目標で結ばれたパートナー団体が集まりました。
このイベントは、司法・緊急関連の組織のみにとどまらず、また女性による女性のための安全保障を促進することに焦点を当てたものでした。まず、国家警察と国家非常事態庁(SESU)で活躍する女性職員が登壇し、紛争中における個人的かつ業務に関連した経験や課題を共有する対話が行われました。最後に行われたディスカッションでは、UNDP、内務省、SESU、市民社会組織のJustGroup、法律扶助調整センターからの専門家が集まり、職員、及びその職員が仕える戦争被害者双方の福祉に資する安全な環境づくりに対する進捗状況を評価し、加速させるための話し合いが行われました。
松田邦紀駐ウクライナ日本国特命全権大使は開会式で、ウクライナ支援と女性の地位向上への取り組みを支援する日本の決意を改めて表明し、「ジェンダーに対応した包括的な解決策で女性のニーズに応え、復興努力を形作る際に女性の積極的な参加を保証することは、この重要な時期において極めて大切です。日本政府と日本国民は、女性への支援を不可欠なものとして、平和と人間の安全保障を維持するためにウクライナを支援し続けます」と述べました。
ウクライナ最高議会のオレナ・コンドラティウク副議長は、「女性、平和、安全保障 (WPS)」アジェンダを実施することの重要性を強調し、「この決議は、女性が安全保障分野のあらゆる側面に参加する権利と機会を持つだけでなく、女性が影響力を行使し、意思決定プロセスに参加する能力を持つべきであると主張しています。これは現在ウクライナにとって優先事項のひとつであり、その達成に向けたパートナーの支援に感謝します。」と述べました。
ウクライナ内務省のカテリーナ・パブリチェンコ副大臣は、「ウクライナの治安部隊と国防軍の20%以上が内務省の部隊で構成されており、女性職員の比率は顕著である。ウクライナの治安部門の影響力のある役割を強調した。 近年、ウクライナの軍隊、警察、救助活動に従事する女性たちが積み上げてきた経験は比類のないものです」と述べました。
UNDPウクライナ常駐代表のヤコ・シリアーズ氏は、戦争が続く中、公正かつ持続可能な復旧のために女性の力を強めることが引き続き重要であることを強調しました。「UNDPは、ウクライナの復興活動において女性が果たす重要な役割を認識しています。彼女たちは経済の屋台骨を担い、治安や司法、緊急対応に積極的に貢献しています」と指摘しました。
さらに、「今日のイベントは、すべての人々の包摂、可視化、参加を促進するというUNDPの決意を強調するものです。危機に直面したウクライナ政府とウクライナ国民の力強い回復力、そしてウクライナにおける人間の安全保障を推進する日本政府のかけがえのない支援に心から感謝の意を表します」と述べました。
UNDPは、日本政府からの資金援助を受けて、すべての人々が利用できるようにすることを念頭に、一貫して司法・緊急対応機関を強化しています。2023年の主な実績は以下のとおりです:
- 1,000人以上の弁護士を研修 (うち750人が女性)。その結果、戦争で被害を受けた人々のための相談件数が88,600件に達しました。
- 司法機関の代表者307人(うち170人が女性)に戦争犯罪を特定する技術を研修。
- オンブズパースンの地域ネットワークを支援し、戦争の被害を受けた1,800人(うち1,440人が女性)に法的助言を提供。
さらにUNDPと日本は、SESUと国家警察に地雷除去や科学捜査の装備を含む必要な機材を提供するための取り組みを開始し、現在も実施されています。
背景:
このイベントは、日本政府が資金を拠出したUNDPのプロジェクト「戦争による多次元的な危機への対応を通じたウクライナにおける人間の安全保障の推進」およびグローバルキャンペーン「女性への投資: 進捗の加速」の下実施されました。ウクライナへの全面的な侵攻の中、女性は必要不可欠なサービスを利用する上でより大きな課題に直面しており、UN Womenのデータによると、800万人もの女性と女児が人道支援を緊急に必要としています。危機対応と意思決定への女性の参加を拡大させることは、被災したコミュニティのニーズを確実に満たすために不可欠です。