〜国立科学博物館で家族や友人に再会した恐竜のフランキー〜
恐竜の絶滅と未来の地球を思う
2024年4月24日
4月に訪日した恐竜のフランキー。日本滞在中に、種の絶滅の専門家でもあり恐竜博士の真鍋真国立科学博物館副館長と対談しました。
真鍋副館長: 国立科学博物館にようこそフランキー。この博物館にはフランキーに近い種類の恐竜のデイノニクスやバンビラプトル、そして大きなアパトサウルスや、6,600万年前の隕石が落ちてきた時にいた二大恐竜と言われるトリケラトプスにティラノサウルスなどたくさんの恐竜が展示されているんだよ。
フランキー: みんなと再会できて嬉しいけど悲しい複雑な気持ちだよ。みんな家族や友人たちだった。私は洞窟で長い昼寝をしていたおかげで奇跡的に絶滅の危機から救われたけど、愛する人たちを失い、とても長い間孤独だった。家族は皆幸せで、大きな夢を持って素晴らしい人生を送っていたよ。けれど残念なことに、ある大災害が私の大切な家族や友人たちを地球上から絶滅させてしまったんだ。 隕石が地球に衝突したんだよ。この壮大な博物館で絶滅した家族に会うのは最高の気分だけど、家族がいなくなるのは決して楽しいことではないよ。
真鍋副館長:そうだね。1600年以降、哺乳類だけで約80種類、鳥類だけで約140種類が絶滅してしまい、現在は第6回目の大量絶滅の時代だと言われているんだよ。約6,600万年前にフランキーたちが絶滅してしまった第5回目よりも、このままいくと、現在の第6回目の方が深刻な大量絶滅になってしまうと言われているんだ。ひとりひとりの人間の100年ぐらいの人生では、ゆっくり起こっている絶滅に気がつかないかもしれない。でも恐竜たちのこと、第5回目の大量絶滅のことを知っていたら、現在の地球と私たちが深刻な状態であることに気がつくことが出来る。博物館で恐竜のことを学んだら、みんなが現在の地球のことにももっと関心を持ってくれるのではないかなと思っているよ。
フランキー: この何千年もずっとひとりでとても寂しかったけれど、幸いなことに、ここ数年の間にあなたのような、たくさんの良い友人ができた。だから私は、気候危機に瀕している世界を救う使命を担ってきた。人類には選択肢があり、言い訳をするのはやめなければならない。存亡の危機に直面していることを理解し、人間自身がまねいたこの危機に対して今この瞬間にも気候変動対策に全力で取り組むべきだよ。
何度でも言うよ「絶滅を選ぶな!」