アフリカ開発会議(TICAD)
TICADとは、Tokyo International Conference on African Development (アフリカ開発会議)の略称です。アフリカと国際社会の広範な関係者がアフリカ開発の現状と課題を話し合い、開発の重点分野に対する合意を形成するためのプロセスで、日本政府、UNDP、世界銀行、国連アフリカ特別顧問室、アフリカ連合委員会が共催しています。TICADは1993年に初めて開催され、5年に一度開催される首脳会合に加え、閣僚会合やモニタリングプロセス等を通じてアフリカ開発を支援する国際的なフォーラムとして発展してきました。関係者に広く開かれたTICADへの参加者は、第1回の1000名から回を追うごとに増え、第6回首脳会合(TICAD VI)では1万1千名を数えるに至りました。また、アフリカ側の強い要望で2016年以降は首脳会議が3年に一度、アフリカと日本で交互に開催されることになり、TICAD VIは2016年8月27-28日にケニアのナイロビで開催されました。2019年8月には、TICAD7が横浜市にて開催され,42名の首脳級を含むアフリカ53か国,52か国の開発パートナー諸国,108の国際機関及び地域機関の代表並びに市民社会の代表等,10,000名以上が参加をしました。新型コロナ感染症の流行後の2022年8月27-28日にチュニジア・チュニスで開催されたTICAD8には、20名の首脳級を含むアフリカ48カ国, アフリカ連合議連, 国際機関, 民間セクターやNGO等の代表者が参加しました。TICAD9は2025年に横浜で開催予定です。
UNDPとTICAD
UNDPはTICAD共催者として、TICADの主要な議論にアフリカ開発の専門的知見と経験を提供するともに、首脳級会合や閣僚級会合といったTICADプロセスにおける各種会合の総合的な運営に尽力しています。また、TICADサミットのフォローアップのため、行動計画のモニタリングや、TICADとアフリカ開発に関する恒常的な広報活動を行い、広範な関係者を動員して、理解の向上とパートナーシップの構築を推進しています。これらの活動を戦略的に展開し、TICADプロセスのさらなる進化を図るため、UNDP と外務省、JICAは、定期的に戦略対話を行っており、現場での連携強化に加え、政策面でもアフリカ開発に関するシンポジウムやセミナーを共催しています。
日本政府支援による平和と持続可能な開発への取り組み
TICADのフレームワークの下、日本政府とUNDPはこれまで様々な案件の形成と実施を通して、アフリカにおける人道・開発・平和の推進に大きく貢献してきました。人間の安全保障の通じた平和構築、地域・コミュニティの社会経済の復旧と安定化、国際テロ対策強化のための支援、国連平和維持活動(PKO)訓練センターの支援、難民の再定住化のための支援、災害からの復旧・復興支援を目指して、各国でのプロジェクトを実施しています。日本支援によるプロジェクトの多くにおいては、TICAD7において日本政府より打ち出されたアフリカの平和と安定に向けた新しいアプローチ(NAPSA:New Approach for Peace and Stability in Africa)の概念を具体化し、TICAD7を通じた日本政府の取組みを後押ししていきます。NAPSAは、アフリカの制度構築支援やアフリカ主導の平和支援活動を支援し、紛争予防と平和の持続に向けた制度構築や育成を行っていくものです。
アフリカにおけるUNDPの活動(ファクトシート)は以下からご覧いただけます。